最近「ファクタリング」という言葉を耳にしたことがありませんか?
資金調達の一つの方法として、有益に使えるファクタリングですが、それを悪用した詐欺事件も発生しています。
2017年1月にははじめての逮捕者も出るなど、大きな波紋を呼んでいるのです。
知らずしらずのうちに悪徳業者に騙されてしまわないよう、ファクタリングにまつわる知識を深めておきましょう。
ファクタリングとは
ファクタリングとは、企業が持っている売掛債権を業者が買い取り、その後債権を回収するシステムです。
例えば支払日が翌月に回ってしまった契約の場合、契約成立から実際にお金が入ってくるまでに、どうしても時間がかかってしまいます。
資金に余裕がない場合、こうしたタイムラグに困ってしまう経営者の方もいるでしょう。
さらに、審査が通らずに銀行などの融資を受けられないでいる場合、担保や保証人がない場合にはますます焦りが募ってしまいますが、こういうときの資金調達方法となるのがファクタリングです。
ファクタリングでは、決済期日より前に業者が請求書を買い取り、振り込んでくれるため手元に早くお金が入ります。
融資とも借入金とも違う方法として、信用情報にも影響がなく、大口の資金調達も可能なのが特徴。
審査も厳しくないため最短一日で素早く簡単に資金調達ができるなどの、大きなメリットがあります。
中小企業や資金の調達方法に悩む企業にとって、貴重な資金調達手段と言えますが、魅力ばかりのように思えるファクタリングにも落とし穴が存在します。
ファクタリングのデメリット
便利で、困ったときにこそ活躍するファクタリングだからこそ、そうした弱みにつけ込んでお金を巻き上げようとする悪徳業者もいます。
ファクタリングには手数料や掛目が必要になりますが、「簡単」「即決」であることを売りに金を貸し、その分法外な金額の手数料を請求すると言った手口が横行しています。
また、ファクタリングを利用するときに、債権譲渡登記の表記が必要になります。
これは「あなたの会社の債権がファクタリング業者A社に譲渡されました」と証明する役割を果たします。
悪徳な業者の場合、返済が遅れたなどの理由からこの債権譲渡を取引先に通知してしまう場合があります。
取引先に知られることなく、早急に大きなお金が手に入ることが魅力のファクタリングですから、これではいいところがありませんよね。
債権を譲渡するということは、その業者に企業の信頼を預けるということです。
安易な判断で築き上げてきた取引先との信頼関係が崩れてしまう可能性があることを考慮し、慎重に向き合いましょう。
ファクタリング業者は見極めが必要!
ファクタリング業者を装ったヤミ金融の業者も少なくないため、業者を選ぶときには本当に信頼できるか否かきちんと判断しなければいけません。
中には、利用者のファクタリングにまつわる知識が甘い点や、法律で規制されていない点を悪用し、高金利でお金を回収しようとする業者もいます。
例えば、150万円の債権を120万円で買い取り、150万円で買い戻させて差額分を業者が回収するというケースも存在します。
これは事実上、120万円を貸し、利子(差額分の30万円)をのせて返させるヤミ金融の手口です。
さらに、本来「貸金業登録」が必要ですが、登録を行っていない業者も少なくありません。
そうした信頼性に欠ける業者は、利息制限法を厳守していなかったり、契約時に具体的な金額を曖昧にしてのちのち多額を要求したりと弱みに付け込んでくる可能性があります。
例えば正当な貸金業は年に15%の上限金利を遵守しなければいけませんが、「ファクタリング」という言葉で差別化を図り、上限を無視して不当な金額を請求される場合もあります。
ファクタリングの利用を検討している人の中には「ビジネスローンを利用することで高い金利をとられてしまうのが不安」という人もいるかもしれません。
しかし、良いファクタリング業者を見極めなければ、法律の目をかいくぐりビジネスローン以上の金利をとられてしまう可能性もあるのです。
ファクタリング業者を選ぶときには、「貸金業登録しているか」、「契約書の控えを共有してもらえるか」、「手数料や違約金として法外な金額を請求しないか」など確認してください。
ファクタリング業者に相談する前に
「売掛債権を運営の資金にできる」、「銀行などのように厳しい審査がない」、「簡単に大きな金額を手にすることもできる」……。
ファクタリングのメリットは、とても魅力的に思えるものばかりですよね。
だからと言って、深く考えずに目についたファクタリング業者に依頼してしまうとあれよあれよという間に思いもよらぬ金額がかさんでしまうかもしれません。
さらに現状では、法律の規制がきちんと追いついていないため、悪徳業者も大手サービスのように堂々と構えていることも少なくありません。
「色々な場所で広告を見かけるから、きちんとした企業だろう」と信頼した業者が、蓋を開ければ問題だらけということも充分にあり得るのです。
自己判断によって失敗しないため、ファクタリング業者に相談する前に、融資相談会社に相談しましょう。
融資相談会社では融資にまつわる無料相談なども行っているため、トラブルが発生する前に最適な資金調達方法を検討してもらえます。
大きなトラブルに巻き込まれないよう、時間がないときでも融資や資金調達はあせらず慎重に行いましょう。